001/202212/logo.png@alt

お知らせ

秋田弁護士会所属会員殺害事件に関する会長談話

 11月4日午前4時5分ころ、秋田弁護士会に所属する弁護士が、自宅において、不法に侵入してきた男に剪定鋏で腹部を刺されて
死亡するという事件が発生した。
 被疑者は既に逮捕され、報道によれば、弁護士である被害者の業務遂行に対する恨みからの犯行であることを自認しているという。
6月に横浜で発生した弁護士刺殺事件から半年も経たないうちに繰り返された悲劇に、同じ職にある者として言葉もない。
日本弁護士連合会消費者問題対策委員長という要職にあり、弁護士会の消費者保護活動の先頭に立って活躍をしていた被害者や
その遺族の無念の思いは、察するに余りがある。
 犯行は、暴力をもって弁護士業務を妨害し、自らの理不尽な怨念を晴らそうとする卑劣なものであって、社会正義の実現と基本的人権の
擁護を使命とする我々弁護士全てに向けられたあからさまな挑戦というべきである。かかる行為が法治社会で断じて許されるものではなく、
本会は、本件を敢行した被疑者を強く非難するとともに、関係機関において厳正かつ適切な措置を執るよう求める。
 弁護士は、依頼者の利益を忠実に実現すべく、その法的立場を代理し、適正な事案の解決を目指す。その過程では、事件関係者との
軋轢が生ずるおそれがある。しかしそれは、社会正義の実現と基本的人権の擁護をはかる弁護士の使命によるものである。
 本会としては、同様の事態を防止するために、あらためて本会所属会員に対して適切な危機管理を推進するよう啓発活動を進めるとともに、
苦情処理活動や広報活動を通じて、法律事務遂行過程における市民と弁護士とのトラブルの発生の防止や解消に努める。
 本会は、会員の総意として、今後も弁護士に対する業務妨害に対しても一歩も引くことなく、弁護士の使命を全うし、毅然
と対処し続けることを誓い、ここに表明するものである。

                                        2010年(平成22年)11月5日
                                           新潟県弁護士会
                                           会長 遠 藤 達 雄  


ページトップへ

page top