公営住宅などにおける家具固定普及策の一層の推進を求める会長声明
当会は、2019年6月11日、「原状回復義務に関し、公営住宅などにおける家具固定の普及策を求める会長声明」を公表し、公営住宅において家具転倒防止措置のためのネジ穴等は原則として通常損耗にあたるものとして原状回復義務の対象から除外するものとの方針を明らかとすることを求めた。あわせて、県内各自治体を訪問し、同会長声明を踏まえた対応をお願いしてきたところである。
この度、当会において、県内自治体に対し、家具転倒防止措置のためのネジ穴等について原状回復義務の対象から除外するとの方針を明らかにしているかなどを問うアンケートを実施し、80パーセントの自治体から回答をいただいた。
その結果、72・2パーセントの自治体においては、家具転倒防止措置のためのネジ穴等について原状回復を求めていないことが明らかとなった。多くの自治体において、防災の観点で適切な対応をされていることを高く評価したい。
他方、上記自治体のうち、原状回復を求めないとの方針を周知している自治体は15・4パーセントにとどまる。せっかくの有益な方針が十分効果を発揮しないことが懸念されるところである。
家具転倒防止措置のためのネジ穴等について原状回復を求めないとの方針を取っていない自治体に対しては、取っている自治体が多数を占めること、家具転倒防止措置が防災上極めて有意義であることから、あらためて原状回復を求めないという方針を取っていただくよう要請する。
また、すでに方針をとっている自治体については、その方針をより意義深く効果的なものとする観点から、住民への周知を行うよう期待したい。
2020年3月10日
新潟県弁護士会
会 長 齋 藤 裕