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お知らせ

新潟市において実効的な津波対策をとることを求める会長声明

 新潟県は、本年1月28日、長岡市など12市町村を、津波災害警戒区域に指定した。しかし、新潟市において新潟市内では浸水までの時間がかかる区域があるため一律の規制になじまないなどと主張し、区域指定を了承していないため、新潟市内については津波災害警戒区域指定がなされていない。
 この津波災害警戒区域指定は、津波防災地域づくりに関する法律に基づくものである。
 同法1条は、同法の目的を以下のとおり定める。
 「この法律は、津波による災害を防止し、又は軽減する効果が高く、将来にわたって安心して暮らすことのできる安全な地域の整備、利用及び保全(以下「津波防災地域づくり」という。)を総合的に推進することにより、津波による災害から国民の生命、身体及び財産の保護を図るため、国土交通大臣による基本指針の策定、市町村による推進計画の作成、推進計画区域における特別の措置及び一団地の津波防災拠点市街地形成施設に関する都市計画に関する事項について定めるとともに、津波防護施設の管理、津波災害警戒区域における警戒避難体制の整備並びに津波災害特別警戒区域における一定の開発行為及び建築物の建築等の制限に関する措置等について定め、もって公共の福祉の確保及び地域社会の健全な発展に寄与することを目的とする。」
 同目的を達成するため、同法53条は、都道府県知事において、市町村長の意見を聞き、津波災害警戒区域を指定することができるとされている。津波災害警戒区域に指定された場合、社会福祉施設、学校、医療施設その他の主として防災上の配慮を要する者が利用する施設のうち、その利用者の津波の発生時における円滑かつ迅速な避難を確保するための体制を計画的に整備する必要があるものとして政令で定めるものについて避難確保計画を策定する義務が生ずることがあるなど(同法71条1項)、津波災害の際において市民の生命などを守るための措置が講じられることになる。
 よって、津波による災害から人命などを守るため、津波災害警戒区域指定は極めて重要である。
 新潟市において、浸水までの時間がかかる区域があり、一律の規制になじまないとしている点は理解できないではない。
 しかし、新潟市津波ハザードマップ(2018年8月作成)によると、発災から30分未満で津波が到来するとされている区域があり、かつ、その中には保育園なども設置されている。しかも、新潟市において、これらの施設における避難確保計画の策定状況を把握しておらず、かつ、現時点で把握する計画もないとのことである。
 このままでは、実効的な津波災害対策がなされないまま長年月が経過するということにもなりかねない。
 津波防災地域づくりに関する法律4条が「国及び地方公共団体は、津波による災害の防止又は軽減が効果的に図られるようにするため、津波防災地域づくりに関する施策を、民間の資金、経営能力及び技術的能力の活用に配慮しつつ、地域の実情に応じ適切に組み合わせて一体的に講ずるよう努めなければならない。」としていることを踏まえ、保育園の園児などの要配慮者その他の者の生命などを守るため、新潟市におかれては、津波災害警戒区域指定に向け新潟県と真摯に交渉を継続するとともに、同法の所定する避難確保計画の策定義務付けなどの措置を地域の実情に合わせ導入するなどして、遺漏のない津波防災対策をしていただきたい。    
以上

2020年(令和2年)3月10日
新潟県弁護士会 
会 長  齋 藤   裕


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