5市長連名での新潟家庭裁判所に対する要望書提出に関する会長談話
令和3年8月26日、柏崎市、十日町市、糸魚川市、南魚沼市、村上市の5市の市長から、新潟家庭裁判所所長に対し、
以下の事項を内容とする「新潟家庭裁判所出張所に関する要望書」が提出されました。
1 出張所において、家事審判・家事調停が行われるよう、十分な人員を配置すること
2 調停事件の当事者に対し、出張所での調停実施希望の有無を事前に照会すること
3 出張所において、テレビ会議システムやウェブ方式等、顔の見える遠隔通信方式による家事調停に対応すること
いずれも家庭裁判所出張所の利用を強く望む地域住民の声を踏まえた正しい指摘です。
新潟県内では、柏崎出張所、糸魚川出張所、南魚沼出張所及び村上出張所において、調停・審判等の申立ての受理業務しか
行われない状況が長年続いていました。当会は、このようなアクセス不全を解消すべく、5年以上前から、家庭裁判所出張所
での出張調停(裁判官や調停委員が出張所に出向いて、調停手続をすること)の実施にむけ活動して参りました。しかし、
家庭裁判所側の人員態勢の脆弱さ等が支障となり、出張調停の実施件数は年間数件程度に過ぎず、家庭裁判所出張所が
地域住民にとって利用しやすい司法機関とはいい難い状況にあります。
地域住民が近くにある家庭裁判所出張所で家事事件の司法サービスを受けることは国民として至極当然の話です。
目の前に家庭裁判所出張所があるにもかかわらず、数十キロメートル離れた家庭裁判所支部に出頭しないと調停手続を
利用できないという、極めて歪な現状は直ちに改善されなければなりません。
当会は、裁判所に対し、この要望書を真摯に受け止め、家庭裁判所出張所において各種手続を執り行えるよう、必要な
人的・物的体制の構築がなされるよう強く求めます。
2021年(令和3年)8月30日
新潟県弁護士会
会長 若 槻 良 宏