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お知らせ

改正組織的犯罪処罰法の採決強行に抗議し、同法の廃止等を求める会長声明

 いわゆる共謀罪の創設を含む改正組織的犯罪処罰法(以下「本法」という。)は、今月15日、参議院本会議において採決され、
成立しました。
 本法案は参議院法務委員会で審議中でしたが、「特に緊急を要する場合」(国会法第56条の3第2項)でないにもかかわらず
中間報告がなされた上で、委員会の採決を省略し、本会議での採決が強行されました。このような異例な手続は、議会制民主主義の
否定というほかありません。
 これまで当会が繰り返し指摘してきたとおり、本法は、処罰範囲が不明確であり、罪刑法定主義(憲法第31条)に反し、内心で
「計画」したことをもって処罰することになりかねず思想良心の自由(憲法第19条)を侵害するおそれがあります。加えて処罰範囲が
不明確であることから、国民が捜査や処罰の対象になることを怖れて、本来は適法であるはずの行動をためらうことも予想され、
集会・結社・言論その他表現の自由(憲法第21条)に対する委縮効果を及ぼしかねません。
 また、テロとは無関係と思われる犯罪が含まれている旨の指摘があるにもかかわらずこれに対して真摯な対応もなされず、
国連人権理事会特別報告者が懸念を表明する書簡を発出しましたが、政府はそれに対しても適切な応答をしていません。
 これらの問題点や懸念は、国会審議を経ても払拭されることはなく、むしろ不安と懸念を生み出すこととなりました。私たち国民には、
憲法上、自由に考え、表現する自由が保障されています。本法によってこれらの自由を失うことはあってはなりません。
 当会は、本法の内容だけでなく、本法の成立に際しての異例な手続に強く抗議し、本法の廃止を求めて行動するとともに、本法が
恣意的に運用されることのないように監視していく所存です。

                                        2017年(平成29年)6月23日
                                           新潟県弁護士会
                                           会長 兒 玉 武 雄  


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