橋下徹氏の従軍慰安婦問題に関する発言に対する会長声明
日本維新の会共同代表であり大阪市長でもある橋下徹氏は,本年5月13日,旧日本軍の従軍慰安婦について「必要だった」と公の場で発言した。
また,橋下氏は,沖縄県の米軍普天間飛行場の司令官と会談した際に,合法的な範囲内で風俗業を活用してほしいと進言したことを自ら明らかにした。
そして,それらの発言に対する批判が広がるなかで,橋下氏は,ネット上で「貧困から風俗業で働かざるを得ないと言う女性はほぼ皆無。皆自由意思だ。
だから積極活用すれば良い」などと述べた。
橋下氏のこのような発言は,元従軍慰安婦の人たちのみならず,多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけるものであり,とうてい許されるものではない。
また、政党や地方行政のトップにある橋下氏のこのような発言は,憲法で保障されている人権を軽視する風潮をつくりあげ,人権侵害を助長するものである。
新潟県弁護士会は,基本的人権の擁護と社会正義の実現を使命として活動しているものであり,橋下氏のこのような発言を看過することはできない。
橋下氏に対し,人権侵害の発言を真摯に反省し,謝罪することを強く求めるものである。
2013年(平成25年)5月16日
新潟県弁護士会
会長 味 岡 申 宰