福岡県弁護士会所属会員に対する業務妨害事件に関する会長談話
5月22日,福岡県弁護士会に所属する弁護士が,福岡市内の法律事務所の置かれているビル内において,男に手などを切られ,犯人が
殺人未遂罪で現行犯逮捕されるという事件が発生した。事件の真相は明らかになっていないが,徒手空拳の被害者に対してナイフで攻撃した
犯人の犯行は,極めて卑劣な蛮行というほかない。
被害弁護士の事務所が置かれているビルで襲撃されたこと,被害弁護士が受任している事件の相手方であるとの新聞報道などからすれば,
弁護士業務に関連した凶行である可能性が高い。
弁護士は,依頼者の利益を忠実に実現すべく,その法的立場を代理し,適正な事案の解決を目指す。その過程では,事件関係者との軋轢が
生ずる可能性は避けられないが,それは,真に依頼者の利益を図り,社会正義の実現と基本的人権の擁護をはかる弁護士の使命によるものである。
本会は,過去に,弁護士に対する暴力を用いた業務妨害行為を経験しているところであり,本件を敢行した犯人を強く非難するとともに,
関係機関において厳正かつ適切な措置を執るよう求める。
本会は,今後も弁護士に対する業務妨害に対して,一歩も引くことなく,弁護士の使命を全うし,毅然と対処し続けることを誓い,ここに
声明するものである。
2012年(平成24年)5月24日
新潟県弁護士会
会長 伊 藤 秀 夫