仮払補償金の支払対象者に関する会長談話
東京電力は,福島第一原子力発電所から半径30キロメートル圏内の全世帯を対象に1世帯あたり100万円,単身世帯は75万円の
仮払補償金を支払う旨明らかにした。
また,報道によると,30キロメートル圏外でも計画的避難区域に指定されれば仮払対象とする方向であるとされている。
当会は本年4月9日に「福島第一原子力発電所からの避難者に対して迅速かつ適切な仮払いを行うことを求める会長声明」で,
30キロメートル圏外でも,自治体による避難呼びかけがなされている地域の方々,居住地域において積算外部被曝線量が国際的な退避基準値
である20ミリシーベルトを超える箇所が発生・拡大している地域の方々(例・浪江町),近隣避難の影響により生活困難を余儀なくされ結果
として自主避難された方々,乳幼児や妊婦など身体的被害が重篤に及ぶ懸念から自主的に避難された方々などについては,避難に合理的理由があり,
仮払いがなされるべきである旨表明した。仮にこれらの方々が,将来指定される計画的避難区域外の方々であったとしても,同様に仮払いがなされるべきである。
よって,東京電力に対し,30キロメートル圏外であり,かつ,計画的避難区域外の方々であったとしても,合理的な理由に基づき避難をされた方々に
ついては,速やかに仮払いを行うようあらためて要望するとともに,政府に対し,そのように東京電力を指導するよう要望する。
2011年(平成23年)4月19日
新潟県弁護士会
会長 砂 田 徹 也