新潟県弁護士会

声明・意見書

2022年03月30日|声明・意見書

旧優生保護法による被害の全面的な回復に向けて,一時金支給法の改正を求める会長声明

 本年2月22日に大阪高等裁判所において,次いで,本年3月11日に東京高等
裁判所において,旧優生保護法に基づいて実施された強制不妊手術に関する国家賠
償請求訴訟の控訴審判決が言い渡され,いずれも,被害者である控訴人の請求を認
める画期的な判決でした(以下,両判決を併せて「両高等裁判所判決」といいます。)。

 これまで,全国各地において,旧優生保護法国家賠償請求訴訟が提起され,仙台,
東京,大阪,札幌,神戸の各地方裁判所で一審判決の言い渡しがありました。しか
しながら,これらの地方裁判所では,旧優生保護法自体又は同法に基づく不妊手術
が違憲であることを認めながらも,訴訟提起時には,改正前民法724条後段の除
斥期間が経過していたとして,原告の請求を棄却していました。
 
 両高等裁判所判決は,旧優生保護法が違憲であることを正面から認めた上で,同
法によって「不良」な存在とされ,強制不妊手術の対象とされるという強度の差別
及び重大な被害を受けた被害者に対して,除斥期間の適用を認めることは著しく正
義・公平の理念に反するとして,除斥期間の適用を制限しました。

 また,両高等裁判所判決は,2019年4月24日に成立した「旧優生保護法に
基づく優生手術等を受けた者に対する一時金の支給等に関する法律」(以下「一時
金支給法」といいます。)に定められている一時金の金額(320万円)を大きく
上回る慰謝料額を認めました。

 両高等裁判所判決は,正義・公平の理念に基づいた判断により,除斥期間の壁に
よって閉ざされていた被害回復への道を開き,被害者の生涯にわたる耐え難い苦し
みに真摯に向き合って慰謝料額を認定したものと言えます。

 国は,一時金支給法の前文に,旧優生保護法の被害者に対して,「我々は,それ
ぞれの立場において,真摯に反省し,心から深くおわびする。」と記載されている
にもかかわらず,両高等裁判所判決にいずれも上告しました。これは,長年にわた
り苦しみ続け,すでに高齢となっている被害者をさらに苦しめる行為であり,強く
抗議します。
 国は,強制不妊手術について真摯に反省し,被害者に対して心から深くおわびす
る気持ちがあるのであれば,直ちに両高等裁判所判決に対する上告を取り下げるべ
きです。

 一時金支給法は,被害の早期回復を実現したという点で意義があった反面,内容
に不十分な面があったことは否めません。
 両高等裁判所判決では,一時金支給法で定められている一時金の金額を大きく上
回る慰謝料額が認められていること,大阪高等裁判所判決では,被害者の配偶者に
よる請求が認められていることなどを真摯に受けとめ,国会は,速やかに一時金支
給法の内容を充実させるための改正を行うべきです。

 当会は,今後も,旧優生保護法による被害の全面的な回復の実現,ひいては,一
人一人が等しくかけがえのない個人として互いに尊重し合うことができる社会の実
現に向けて,真摯に取り組んでいきます。

                 2022年(令和4年)3月30日
                     新潟県弁護士会
                     会長  若 槻 良 宏
 

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